Canon越しの世界

自分の目とカメラを通して、日常をゆるく発信していきます

フィンランドの学校に視察しに行ってきたよ!②

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2時間目が終わったら、15分の中休みがあります!

びっくりしたのが、みんなスキーウェアみたいなもこもこのジャケットを羽織って、1人残らず、外に出るんです。教室に残ってはいけないんだって!ものすんごい勢いで教室から飛び出して行きます。

 

ちなみに外は、めっちゃくちゃ寒い!ぶるぶるしながら私も出ました。

フィンランドではこの”15分の外で遊ぶタイム”となるものが、義務付けられているらしいです!

 

サッカーをする子、おにごっこをする子、土で遊んでいる子、空高くブランコをこいでいる子。端のほうで固まっておしゃべりしてるのは上級生かな。先生も外に出てました。

 

 

みんな生き生きしてた。

きゃっきゃと子どもたちの超えを聞いてたら、私も走りたくなって、ある女の子たちの鬼ごっこグループに入れてもらって、けっこう本気で鬼ごっこしました◎(ぜぇぜぇ…)鬼ごっことか何年ぶりだろう…笑

 

 

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生徒はみんな絶対外に出なくてはいけないので、ある子は外で読書してた!

 

 

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スキーの更衣室みたい。みんな15分間体を動かして、ほくほくして帰ってきた。

 

ちなみに、フィンランドには2週間のスキー休みというものがあるみたいです。北欧らしいなぁ!

 

夏休み2ヶ月、秋休み、クリスマス休み、4月にはイースター休みがあって、年間の授業日数は200日を切るみたい。

 

34ヶ国あるOECD加盟国の中で、授業日数が最も少ないフィンランド

ちなみにその日数は日本と比べると1ヶ月以上少ないみたいです。

日本のように塾もなく、宿題もそこまでたくさんあるわけでもなく、家でガツガツ勉強する時間もあまりないらしい。

でも、学力は世界トップレベ。すごい。

 

詰め込み教育とはかけ離れていて、勉強しなさいという圧力もないから、自発的に勉強する子が多いのかな。だから、勉強が好きな子が多いのかな。

 

日本の教育に抱いていた「?」が、北欧の教育を見ていて、少し大きくなっています。

そして、教育のヒントをたくさん得れる機会だなぁってわくわくも同時に大きくなっています!

 

 

これから3時間目が始まるよ!

 

3時間目は、math。掛け算をして、図形の面積を求めていました。

先生が、何問かみんなの前で解いて、その後はほぼ自習だった。

自分のペースで教科書の問題を解き進めるってかんじです。

わからないところがあれば、手を挙げて質問します。

生徒の机が黒板の方向を向いているわけではなく、4,5人のグループになってました。

 

掛け算の記号、✕を使わずに、・を使っていたなぁ。

私は中学生になってから・を使い始めた覚えがあります。

 

 

ある男の子が授業中に手を挙げて言いました。 

”Can I get a note?”

 

”yeah ok” と先生。

 

男の子はクラスの後ろにあるノートがたくさん入った箱から、すっと一冊取っていきました。

 

「ノート、もらえるんだ…!」

 

そう、フィンランドでは義務教育の期間は、教科書だけでなく鉛筆やノートなどの文房具、給食費も無償なんです。

よく見ると、ノートの箱の横には鉛筆がたくさん入った箱もありました。好きに取っていってね、と言わんばかりに。

 

小学生の頃はノートはかわいいやつがいいなぁ、鉛筆も犬が書いてあるやつがいいなぁ、なんてことで頭がいっぱいだった私ですが、フィンランドの文房具は無地でシンプル。

羽が生えた犬も、目がキラッキラしてるうさぎも、一匹もいません!

 

 

学費は、プレスクールと呼ばれる、幼稚園の後に1年ほど通う就学前教育から、小中の義務教育、高等学校、そして大学まで完全に無料です。いいなぁ。

 

 

男の子の、「ノートもらっていいですかぁ」って一言から、

子どもたちが学ぶことを全力でサポートしているフィンランドの姿勢が見えたよ。

 

 

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ある女の子は、極度の近視で、分厚い眼鏡をかけていました。

クラスの一番うしろの机で、画面を通して、算数を学んでいました。

女の子は自分が書く文字も見えないので、横にいるサポーターの先生が女の子の書く文字にレンズを向けて、女の子は画面を見ながら文字を書いていました。

この機械で、自分で見るものを近くしたり遠くしたり調節できます。

こういう機械、初めて見た!ケアが、ちゃんとできてるなぁ。

 

 

 

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フィンランドは、とにかく教育の格差をなくそうと努めてきました。

みんなに、平等に、教育を。

フィンランドの学校にはフィンランド国籍を持たない生徒がたくさんいます。

難民、移民の子どもたちも平等にフィンランドで教育を受ける権利が保障されているんです。

子どものうちから、クラスが他文化・多文化で溢れている環境、すっごくいいなぁって思う。

 

 

生徒はとにかくいろーんな国から来てます。この学校がインターナショナル校だということもあると思うのですが、多様性でしかなかった。

どこから来たの?と聞くと、

バングラデシュ、南アフリカフィンランドスウェーデンスリランカ、日本の血が入ってるよ、アメリカに住んでた、などなど。

みんな英語ぺらぺらです。

でも「私フィンランド語しゃべれないから、今勉強中なの」って言ってる子もいたなぁ。

 

ここでは、何語をしゃべるか、ではなく、何ヶ国語しゃべるか。

友達と話す言語と、家族と話す言語、学校の授業で話す言語が、全部違うなんて、普通にあることなんだ。ぴぇ〜〜!

 

 

日本という島国で生まれ育って、日本語という言葉でしか世界を見てこなかった私ですが、勉強して、英語を話せるようになって、世界がぐーーーーんと広がりました。

 

英語で文献を読めるようになる、英語で情報を得られる、そしてなにより、世界中の人と話せる。新しい文化を知れる。たっくさんの価値観に触れることができる。

 

英語できなくても日本では何も問題なく生きていけるけど、でも私は、せっかく英語っていう自分の世界を広げられる道具があるなら、それを最大限使って、世界中の人とたくさん話して、いろんなこと学んで、自分の世界をカラフルにしたい、って思います。

 

まだまだ英語を勉強する必要が私にはありますが!頑張ります!

 

言語は、できるに越したことないです。

言語って、ツールでしかないのだけれど、本当に本当に大事なツール。

ないがしろにしちゃいけないなって思います。

 

たくさんの言語を話せる人って、それだけ世界を見る窓が多いんだろうなぁ。

見てる世界の数、多いんだろうなぁって思います。

 

 

アラビア語とか学びたいなぁぁぁ!ってモチベーションが高まった。

 

 

 

つづく。

 

フィンランドの学校に視察しに行ってきたよ!①

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11月の下旬に、教育レベル世界NO.1のフィンランドに行ってきました!

スウェーデンにいる間に、絶対フィンランドの学校に行きたいと思ってたので、2016年の間に行けてよかったです。やりたいことリスト、ひとつチェックできた✓

 

どんな教育が行われているんだろう!ってわくわくしながら行ったんですが、視察している間、とにかく目からウロコぼろぼろでした。

 

視察をコーディネートしてくれましたのは、その小学校でインターンをしてるトビタテ生の、ゆきな。素敵な友達です。フィンランドで初めて会ったのに、前から友達だったかのようにすぐ打ち解けて。作ってくれるごはんはめちゃくちゃおいしくて、夜はベッドの上で5、6時間語り、刺激をもらい、学校にも連れてってくれて、スーパーありがたやです!!本当に、ありがとう。

 

 

フィンランドの学力レベルが高いことは世界でも有名。

PISA(国際学力比較調査)ではいつも上位にランクインしてます。

 

 

大学の授業中、クラスで教育制度の話になったときに、フィンランド人の生徒が

フィンランドの学力が最近下がっているんです!まじでショック!!」

と言ってるのを聞いた時、フィンランドの人は自分の教育に誇りを持ってるんだなぁって感じました。

 

 

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校舎が広い・・・!

北欧の学校には、たくさんのガラスが使われてるなぁって感じました。なるべく太陽の光を取り入れようとしてるからかな!

 

私が行った学校は、小中一貫のインターナショナルスクールでした。でも、カリキュラムなどはフィンランドの方針に従っているようです。

でも他のフィンランドの学校と比べたら、国際色は少し豊かなのかも!

授業はすべて英語です。

 

 

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デザインや色が、あたたかい。ノルディックデザインやぁ。

 

 

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私が行ったのは、5年生のクラス。人数は24人。

1時間目は、hand craftでした。1コマ45分。

ちなみに、朝礼がありません。私にとって、朝はまず先生から連絡事項を聞いて〜提出物があって〜という朝礼の時間があるのは当たり前のことでした。なので、みんなが教室に荷物を置いて、すーっとばらばらに他の教室に行った時は、少し驚きました。

 

木を切るグループと、人形を作るグループに分かれて、それぞれ作業します。

 

とにかく、生徒の集中力がすごい!

 

クラスで、きゃっきゃとふざける子とかいるのかなぁと思ってたんですが、そんな子は誰一人いませんでした。教室はけっこう静かで、みんなもくもくと作業。

私が行った時は、紙粘土で作った人形に着せる服を作っていました。

包帯みたいに布をぐるぐる巻いている子もいれば、本格的に布をピースに切って縫い合わせている子も。

 

 

そして、先生は、教えません。

生徒はなにかわからないことがあれば、先生のところに行って聞く。その程度です。

ある生徒が、玉止めの仕方がわからなかったようで、先生のところに行きました。

そしたら、先生の机にあるパソコンでYoutubeで玉止めのやり方の動画を調べて、その子はそれを見ながら玉止めしてました。

 

 

木を切る方のグループに行った時、

「あんまり生徒に教えないんですね」と先生に話しかけたんです。

そしたら先生に、

「とにかく何事も自分でfigure outする力が大切だからね」と言われました。

なんでもかんでも教えるわけじゃないよ、ってさらりと言われました。

 

 

先生って、”教える”職業だけど、

生徒が自分の頭で考えることを、”見守る”職業でもあるんだなぁ

 

 

そんなことを感じた、1時間目。

 

「4時間目まである今日の視察、学ぶことが山ほどありそう・・・!」

 

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2時間目は、environmental educationという授業。

始まってから数分たった時。急に音楽が流れました。

めちゃくちゃノリノリな曲!!

みんな立ち上がって、ダンスし始めた!

 

私は「!?」ってかんじでした。え、どしたどした!

私も見よう見まねで体を動かしたんですが、すごい楽しかった。笑

 

ラジオ体操とビリーズブートキャンプを足して2で割ったような運動!

 

ストレッチしながら、アップテンポの曲で軽くダンスして、

「はい、始めましょう」ってナチュラルに授業に戻ったときは、さすがに笑ってしまいました。生徒のみんなも慣れているみたい。

 

朝、みんながちょっと眠そうだったり、だらっとしていると、こうやって数分間体を動かすみたいです。たしかに、フィンランドの冬は日が昇るのも本当に遅く、かなり曇ってて薄暗くて、外は寒いけど教室はあったかいから、眠くなるよなぁ。

メリハリがあってよいね!

 

 

この授業で驚いたのは、授業の質

とにかく、テンポがすごい!!ぽんぽんぽんと進む。飽きることがない。

 

先生はパワポを用意していて、スライドをぱっぱと切り替えながら、話を進めます。

環境に関するトピックで、来週あたりにグループ発表をするようでした。そこで、どうやったらいい発表、作品ができるかを説明してたんだけども、

「こうこうこうやってね」という説明ではなく、

まずたくさんの例をみんなに見せながら、「この良いところは?悪いところは?」って生徒に投げかけます。

メイントピックが見えにくい、配色がいい、文字が小さい、紙がめくれるようになってて工夫が施してある、ベン図を使ってて見やすい、バランスが悪い、写真を使っててよい、などなど…

生徒のほうからもぽんぽんと意見が出てきます。

それを踏まえた上で、じゃあやってみよう、となるわけです。

 

 

こういうふうにワンクッション置くことで、どうやったらよりよいものが作れるか、わかるわけですね。なるほど。

 

 

とても印象的だったのが、食物連鎖についての授業。

(私はその場にいたわけではないのだけれどもおもしろいなぁと思ったので、ここに書いときます!)

 

生徒1人がそれぞれ1つの動物を担当します。そして、生徒は自分の担当の動物についていろいろ調べます。どういう動物なのか、どこに住んでるのか、何を食べるか、もしくは、何に食べられるのか。etc

 

 

その動物についてプレゼンした後、先生が毛糸玉を取り出して、ある生徒に渡します。その人がうさぎだったら、うさぎが生きる上で関係のある動物、たとえばきつねの人に毛糸玉をぽんと投げます。そして次の人も同じようにしてぽんぽんと渡していって、最終的にみんながピンと張った毛糸の網の中にいる状態になります。生き物たちはいろんなところでつながっているということを生徒は学びます。

 

そして先生が「じゃあもしこのうさぎが絶滅したらそどうなるかな」と言って、うさぎの子が持っている毛糸を離すと、みんながつながっている毛糸はもちろんすぐにふにゃっとなります。

ひとつでも欠けたら、生態系のバランスが一瞬で崩れるんだよ、ってことをこれで学ぶみたい。

 

毛糸を使うのかぁ!おもしろい。

 

あと、参加型で学ぶのは、やっぱり大事!

45分なんてあっという間だぁ。

 

 

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壁には生徒が作ったものがたくさん!

見ているだけでかなり勉強になった!

 

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自分の脳内を占めているもの、かな?

壁がとにかくカラフル!

 

 

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この絵たちを見た時、かなり衝撃を受けました。

 

 

え、フィンランドの子って、こういう自画像描くんだ…!

なんか、みんな目に光が宿ってない…!

顔と首がかなりひきのばされてる…!

国によって自画像の描き方もだいぶ違うんだなぁ…!

 

 

あとで聞いてみたら、19世紀に活躍したイタリアの画家、モディリアーニの絵っぽく描いてみようっていう授業で描いたみたい!!(ホッ)

 

モディリアーニの絵はこんなかんじ!↓ 

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わぉ、独特!

 

 

あるイタリアの画家が描いた風景画を真似して描いてみよう!という授業では、その画家が生きていた時代のイタリアの音楽をかけながら描いたんだって。

 

エジプトの歴史を学んでる時は、エジプトの音楽を流したり。

 

なにかをしている時に音楽を流すのって脳にとってもよいってどっかで聞きました。

 

おもしろい!

 

 

つづく