火事だよ!全員集合!
もう去年のことになってしまうのですが、大パニックになったことがありました。
火災報知器を夜中の4時に鳴らしてしまいました。
上の絵は、まさにそのときの私の顔です。
夜中全然寝れなかった日がありました。いろいろ課題をやりつつ、そろそろ寝ないと明日にひびくな…と思って、日本から持ってきていた「あったか蒸気アイマスク」みたいなものを初めて使ってみようと思い、スーツケースから取り出しました。
そのパッケージには、開封してからすぐあったかくなると書いてありました。
10分くらいの寿命ですが、ラベンダーの香り付きなので、私をsweet dreamへといざなってくれると確信していました。
ほぇ〜なんて思いながら、それを開けて数秒後、
「あ、今度の旅行のバス予約しなきゃいけないんだった!」
と思い出し、なぜかすっっかりそのアイマスクのことを忘れていました。
バスの予約をし終わった時、横に置いてあったアイマスクの存在に気づきました。
「あ、忘れてた・・・!」
手に乗っけたときにはもう、完全にそのアイマスクの寿命は終わってて、そのアイマスクの死を確認しました。ちょっとだけぬくもりがあるような、ないような。すごく切なくなりました。
私はその時、夜中だったので、頭が働いてなかったんです。
なんとなくそのアイマスクは、ジェルみたいなのが入ってて、何回も使えるカイロ的なものだと思ってました。
アイマスクをあたためよう→電子レンジにいれよう
という、今思うと、とっても短絡的かつでんじゃらすな思考回路から、
ぽいっ
と電子レンジに入れて、超適当に2分くらいチンしようと設定しました。
そして、バスのチケットをダウンロードしよ〜なんて思って、パソコンをカタカタし始めました。
しばらくたって、なんか焦げ臭いなぁ〜、とふと電子レンジを見たら、
電子レンジの中が
火の渦になってるではありませんか!
絶叫しました。
大パニックです。
私は、3年前に火事を経験しました。隣のお家が火事になってしまったんです。
その時に見た、空に向かって轟々と燃え続ける赤い炎と、家を焼き尽くす煙の匂いと、頬に感じた熱は、忘れたくても忘れられません。ショックで、恐怖でしかありませんでした。
キャンプファイヤーをやる時も、急にその時のことを思い出してしまって、胸が苦しくなったりします。
火が、本当にトラウマになっていました。
とりあえず飲んでいた紅茶の残りを、電子レンジの中にぶしゃっとかけて、それでも収まらないので、水をとにかくバシャバシャとかけました。
火は収まったものの、黒い煙がもくもくと出て、その匂いを嗅いで、もう本当に苦しくなりました。
それに追い打ちをかけるように、火災報知器がものすごい音をたててなり始めました。
心臓に悪いサイレン音がなりひびきます。
夜中の4時です。みんな寝てます。
隣の人を起こしちゃう…!と思って、火災報知器を天井から取り外そうとしましたが、がっちり設置されています。
私が住んでいる階に、私の友達は隣のネパール人2人しかいなかったので、彼女たちに会いに部屋を出ました。
そしたらびっくり。
同じ階の人みんなが「どうしたんだ?」とドアから顔ののぞかせていたり、廊下に出てきていたんです。みんなパジャマ姿。
同じ階の人みんなの部屋の火災報知器を鳴らして、起こしてしまったみたいです。
申し訳なさすぎて、泣けてきました。
そしてまたびっくりしたのが、同じ階に住んでいる人は寮の中でもまったく見たことのない人で、半数がインド系の人だったということ!こんなに人が住んでたんだ!
私があわあわしてたら、斜め前の部屋に住んでいる人が、出てきました。
顔に白い泥パック(?)みたいなのをしてて、ちょんまげしてて、短パンを履いている、なんかすごい美意識の高そうな背の高い男性。
恐怖でしかありませんでした。
私の顔も、真っ白になりました。
「どうしたの」
「ごめんなさい、私が火事を起こしちゃって」
「まずこのサイレン止めましょ」
この寮の火災報知器は、警察?消防隊?を呼ばないとその火災報知器を止めることができないと知りました。
彼はすぐ携帯で電話してくれました。
「大丈夫よハニー」
ハニーと呼ばれたことにびっくりしつつ、本当の顔よくわからんけど、その白い顔を見てたらなんかすごい安心して、泣きそうになったけどこらえて、本当にありがとうといいました。
みんな部屋にいるとサイレンがうるさいので、廊下にぞろぞろと出てきて、喋り始めました。
「はじめまして」
みんな握手してる。みんなお互い初対面だった・・・!!
私の寮は、アパートメントみたいなかんじで、共有のキッチンなどもないので、関わる機会があまりありません。初めて、同じ階の人の顔全員を見ました。
みんなに謝りました。
「本当に真夜中に起こしちゃってごめんなさい。
ちなみにはじめまして、私、Kanonっていいます。nice to meet you!」
ふざけんなこの小娘が!って思っている人もいたと思いますが…
「君が無事でよかったよ」
「はじめまして、だね」
「何勉強してるの?」
「どこから来たの?」
「今度私の部屋でfikaしましょ!」
優しい言葉に、本当に慰められました。
白い泥パックをしてたAnasという名の彼は、トルコの大学を主席で卒業して、今はルンドでジェンダー論を学んでいるという院生の方でした。
本当に優しくて、ハニーと呼ばれたのは謎だったけど、また今度いろいろ話そう!ジェンダーのことならなんでも聞いて!って言ってくれました。
アメリカから心理学を学びに来ている人、
インドからエンジニアリングを学びに来ている人(数人いた)、
カナダから環境学を学びに来ている人、
タイから言語学を学びに来ている人、
色んな国から、様々なバックグラウンドを持っている人が住んでいることがわかりました。
結局私は消防隊の人から軽い取り調べを受けて、「何をしたらこうなったんですか」と言われたんだけども、蒸気でホットアイマスクのことを説明するのはめんどくさかったので、適当に「すいません、寝ぼけててティーパックをチンしてしまいました」と説明しました。
消防隊の人と一緒に、ススがびっしりついた電子レンジの中を見てみたら、見るも無惨な感じで、黒い粉がありました。ああああ私のアイマスク…!
今考えると、アイマスクは、ホッカイロと同じ原理で、酸素と反応してじんわり熱を発するものみたいです。
「紅茶のパックは入れちゃだめだよ」って言われました。はい。
みなさんも、酸化してあったかくなる系のアイマスクは、電子レンジに入れないようにしてください!!
消防隊の人が来てサイレンが鳴り止むまで、40分くらいだったかな(長い)
同じ階の人たち同士の間で会話が始まり、
見たこともなかった、しゃべったこともなかったみんなと知り合いになれたという、ハッピーエンドなお話でした!so nice to meet you!
迷惑かけてしまい、本当に、すみませんでした!
明日もいい1日になりますように!