Canon越しの世界

スウェーデンでの生活を、自分の目とカメラを通して、ゆるく発信していきます

世界一美しい映画館で、私がしたこと

 

 

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一生忘れられない思い出。

一生忘れたくない思い出。

 

今日は、そんな思い出ができた1日でした。

 

 

明日どこ行く?って話をしてたとき、

 

「美術館」と私。

「ショッピング」とNora。

アムステルダムに出張中のお父さんとごはん食べる約束あるんだよね」とMatthew。

「AMF (Amsterdam Music Festival) に友達と行く予定ある」とRay。

 

「それぞれ明日楽しもうねぇ!」

 

ってことで、3日目はみんなバラバラで行動することになりました。みんなザ☆フリーダムってかんじで、居心地がよかった。

次の日が楽しみすぎて3時間しか睡眠取れなかったけど、朝7時半にユトレヒトの部屋を出てアムステルダムに向かったわけです。

 

 

向かった先は、世界一美しい映画館

アムステルダムにあるTuschinski theater

9:00〜11:30までガイドツアーがあると聞いたので、行ってきたよ。

 

 

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見た目はけっこうゴシック調のシンプルな建築。呪われたマンションか、ディズニーランドにあるタワーオブテラーみたいだなぁ…と思って中に入ったんですが。

 

 

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こんなゴージャスなエントランスにお出迎えされました。ぽかーんってかんじです。絨毯は手作りらしい。

 

受付に行って渡されたのは、iPhoneとヘッドホン。画面の中のダンディなおじさんが、この映画館の歴史やうんちくを話してくれます。説明を聞きながら、映画館のいろんなところに自由に行っていいんです。みんなでぞろぞろ一緒に回るツアーではなかった!

 

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1921年にトゥシンスキーって人によって建てられたこの映画館。1290人も入れる、今も旬な映画を上映している現役の映画館です。有名な俳優さん、女優さんもだけでなく、オランダの王室の方も来たことがあるらしい。写真は、VIPルームにあったアラビアンナイトをモチーフにした屏風絵。

 

そして、中に入ってみた。

 

うわぁぁ赤い!!

 

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もう映画館とは思えないくらい、赤い!広い!大きい!(ボキャ貧)

3階席まである、楕円形のシアター。

 

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実際に、椅子に座ってみました。

ふかふか。

 

写真を撮ってたら、舞台の左にあるオルガンをおじいさんが弾き始めました。観客席には私しかいない。

 

ちょっとジャズっぽいメロディー。

音色もころころ変わります。チェンバロだったり、マリンバっぽくなったり。

シャッターを押すことも忘れて、とろ〜って聴き入ってしまうほど綺麗で。

 

なんだろう、本当に琴線に触れる音楽でした。

じわぁって涙が滲んで、数粒こぼれた…ってときに曲が終わりました。ちぎれんばかりに拍手しました。その拍手で私の存在に気づいたおじいさんは、にっこり笑ってオランダ語で話しかけてきました。うるうるMAXで、次の涙がこぼれないようにしておじいさんのところに行って、どれだけ感動したかを伝えました。

 

 

日本から来たんだよ。

ここが世界一美しい映画館って聞いて、実際に来てみたよ。

映画館も綺麗だけど、おじいさんのオルガンの演奏に本当に感動したよ。

 

 

おじいさんはそうかそうか!聴いてくれてありがとう。的なことをオランダ語で言って、ハグしてくれました。

 

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そのあと他のおじいさんが来て、英語ペラペラだったのでその人が通訳してくれました。いろいろ話して、仲良くなって、

 

オルガン弾いていいよ!

と言ってくれました。

 

世界で一番美しい映画館でオルガンを弾けるなんて…やっふぃぃ!

 

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弾く前に「うわぁぁドキドキするー」って言ってる時の顔。

ショパンノクターン、ドキドキしながら久しぶりに弾いた。弾いてるとき、おじいさんがベースの「ぶんちゃっちゃぶんちゃっちゃ」の3拍子を足の方の鍵盤で弾いてくれたよ。深みが出て、弾いてて気持ちよかった。

 

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このおじいさんたち、この年季の入ったオルガンを大事にしようってことで、毎週土曜日の午前中にここに来てメンテナンスしたり、練習したりしてるオルガン師なんだって。Netherladnss Organ Fedetatieっていう「オランダのオルガンを守ろう会」的な300人ほどの団体のメンバーの一員らしい。CNNにもこのオルガンとおじいさんたちが取り上げられたことがあるようで、けっこう有名で愛されてるオルガンなんだなぁと感じました。年を取っても、こうやって音楽と関われるのはいいね。

 

 

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4段もある!しかも周りにはたっくさんのボタンみたいなものがあります。

 

昔は無声映画が主流でした。だから、横でオルガンが音楽(BGM)を奏でていたんです。ボタンを押すと、音色が変わります。太鼓の音、車の音、小鳥のさえずり、人間の悲鳴っぽい声。などなど…数え切れないほどの音を出すことができるんです。おじいさんたちは、4段の鍵盤を操りながら、ボタンを押して、まるでオーケストラみたいな演奏をしてくれました。魔法みたいだった。

 

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おじいさんの好きな曲弾いて!ってリクエストしたら、”When sunny gets blue” という曲を弾いてくれました。すっごくおしゃれな曲です。

 

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オルガンのパイプの構造も説明・案内してくれました。たっくさんのパイプ、ドラム、鉄琴、その他いろいろな楽器があった。

 

湿度計も置いてありました。ベストな環境でパイプが動くように調節してるみたい。無声映画がなくなって、昔ほど音を出す必要がなくなったオルガン。弾いてあげることが、一番大事みたい。

 

そのあともお話して、素敵な時間を過ごせました。

 

ばいばーいって別れたあとも、余韻に浸って、ふわふわしてました。

 

なんと、そのあと、英語ペラペラおじいさんから

 

「年に4回、自分の所属している団体からマガジンを出してるんだけど、君が訪ねてきてくれたことを記事にしてもいいかな?もしよければ、君が記事を書いてくれたら嬉しい」

 

って連絡が来ました。

 

 

なんてこった。

 

嬉しすぎる。

 

夢みたい。

 

 

 

後日、さっそくトゥシンスキー劇場で感じたことを、書いて送りました。

そのまま私の文章を使ってくれると知り、なんだかほくほくしています。

 

 

人との出会いって、こんなに、素敵だったっけ。

 

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ツアーの最後に、紅茶を一杯出していただきました。

紅茶が入っていた袋の裏に、ぐっとくる言葉があったよ。

 

 

Don't wait for the perfect moment,

Take the moment and make it perfect.

 

 

一人との、一会の中の、一瞬を、

一生忘れられないもの、

一生忘れたくないものにできた今日は、

本当に幸せな一日だなぁ。

 

このレモンティーおいしいなぁ。

 

この言葉は一生大事にしなきゃなぁ。

 

 

と思ったという話です。

 

 

つづく