永久保存したいマイナス20度の思い出
私が北極圏の旅行で撮った中で、一番好きな写真。
忘れられないです、マイナス20度の空気の中を、犬と一緒に駆け抜けるスピード感。頬の横をスルスルと流れていく雪景色。鼻毛が凍っていく不思議な感覚。
人生初!今日は犬ぞりを体験しました!
まだ太陽がのぼっていない朝9時。
薄暗い道に敷かれた深い雪の上を歩きながら、ハスキーたちがいるところに向かいました。ハスキーが吠える声が聞こえた時から、わくわくが倍増。
2人チームで乗りました。1人はそりに座り、もう1人は立ってブレーキをかけます。
私たちのハスキーたち。7匹くらいで引っ張ってくれました。
走り出す前からずっとわんわん吠えてました。ハスキーたちは寒ければ寒いほど元気らしいです。早く走らせて!!と言わんばかりにそわそわしてました。私も同じくらいそわそわ。わくわく。わくわく。
いざ、出発!!
彼らをつないでいたロープが放たれた瞬間、そりが水面を走る小舟のようになめらかに滑り出して。冷たい風が顔面を切り始めて。
言葉ではなんて表してよいかわからない、お腹から湧き上がる興奮を感じた。
気付いたら
ひょっひょおおおおおおおい!!!!
って叫んでた。
360度、銀世界。
息を吸う。肺に雪が降る。
息を吐く。牛乳みたいに白い。
吐いた息は、しばらく空中に残り、
少しだけ踊ってから、ゆっくり消える。
息がこんなに美しいと感じたのは、はじめてだった。
一緒に乗ったフランス人、すごいオレンジだったなぁ…。色の主張がすごい。
彼がハスキーたちにStop!!! って言っても、止まらなかったよ。勢いがすごかった。
あと、ハスキーたちは走りながらう◯こをするんです。においも冷風に乗って秒速200kmくらいで私の顔面を直撃するもんだから、もうなんとも言えない気持ちになったよ。実際にう◯こが飛んでこないかかなり不安だったけど、大丈夫だった。と思う。
リーダー的な存在だったハスキー。
吸い込まれそうな青い瞳。
本当にかっこよかった。
笑ってるハスキー。
耳がてろんと垂れててかわいい。
オフショット!
いやぁ、たくましかったよ。
おつかれさまです!
ハスキーの子どもにも会うことができました。
みんなぷるぷる震えてた。
そりゃ寒いよね…!
ぎゅーってしたら、小さな心臓の鼓動が私の腕に伝わってきた。
こんなとこで生きてくってすごいよ、君たち…!
そのあとは高い丘に行って、村を一望したよ。
街全体が雪の魔法にかかってました。
コテージメイト!家族写真みたい。
コテージメイトのAlicia と Sophieがクリーミーなカルボナーラを作ってくれました。ほんっとに美味しかった。こうやって食卓を囲んでごはん食べるっていいね。一人暮らしを初めて実感します、やっぱりごはんはお話しながら時間をかけて食べたほうが絶対おいしい。外の雪景色を見ながら、みんなで団欒。
雪合戦が始まったのは2時半くらいかな、日はもう沈んだのかなってくらい薄暗くなりました。参戦したあと、サウナに入って、また雪の中に飛び出して行き、凍えては戻って、あたたまってはまた外に出るのを繰り返したよ。
夜はトナカイと一緒にオーロラを見ました。
そして、北極圏に住んでいる少数民族、サーミ族の方に会いました。昔トナカイを遊牧して生活していたサーミ族。今では約10%が遊牧民としてトナカイと生活してます。トナカイを飼っていいのはサーミ族だけで、一般人(?)は飼ってはいけないらしい。そんな貴重なトナカイと夜の森をゆっくりとそりでまわるという、すごく贅沢な時間を過ごしました。写真は、サーミ族の方たちとソーセージを焼いているところ。
空には数えきれないほどの星がありました。星をつなぎ、北斗七星やカシオペア座を見つけました。
そして、オーロラ見れた!!少し白っぽかった!そこまで色も形も強くなくて、すぐに消えちゃったから写真は撮れなかったけど!綺麗だったなぁ。
コテージに帰って、1日のことを思い返しました。
目に映った生き生きした景色が本当に綺麗で、ため息をついてしまうほど美しくて。
その美しさは瞬間冷凍保存されて、海馬だけじゃなくて、私の五感に丁寧にしまわれたわけであります。はぁ…。綺麗だった。マイナス20度のまんま、永久保存したい思い出でした。
明日もいい1日になりますように。
つづく