Canon越しの世界

自分の目とカメラを通して、日常をゆるく発信していきます

ポストを開けたらカレーのルーが入っていた話

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1月の始め。

フランスからスウェーデンに帰ってきて、ポストを開けたら、

カレーのルーが入ってた。

 

それと一緒に、一枚の手紙も入ってた。

頑張って書いたんだなってわかる日本語を見て、わかりました。

 

 

秋学期でアメリカに帰った、大切な友達、Spenserからでした。

 

 

手紙を読んでたら、あぁこんな友達を持てて本当によかったなぁ、ってSpenserとの思い出が涙となってぶわあああって溢れ出した。

 

 

彼は、本当に私とはまったく違うバックグラウンドを持った人だったんです。

 

 

パブで「ぼく、日本語しゃべれます

ってかなり流暢な日本語で話しかけられて、そこから仲良くなって。

 

 

日本語は独学で学んだの?って聞いたら、

「日本の米軍基地に3年間いたんだ、沖縄」って返ってきた。

日本にいた時、日本語を勉強して、沖縄の言葉も現地の人に教えてもらって、たくさんの日本人と仲良くなって、日本のこと大好きになったんだって。

 

 

たくさんの沖縄の言葉を、教えてくれました。

「にふぇーでーびる」は覚えておいたほうがいい、ありがとうって意味だよ。

一緒にカレーを食べながらそう教えてくれたのが、昨日のことのよう。

彼はカレーは簡単だからね〜って言いながら、よくアジアンショップで買った日本のカレー(インドカレーはあんま好きじゃないらしい)をふるまってくれてました。

 

 

日本が好き、日本に帰りたい、って何回も言ってた。

 

 

そして、日本のあとに韓国でも米軍として数年働いてたらしい。

毎日過酷な練習をしてて、ある日泥沼をほふく前進している時に、ふと

「軍隊やめよう、勉強したい」と思って、米軍基地の仕事をやめて、必死で勉強してアメリカの大学に入って、物理学を専攻して、ルンドに半年の留学に来たらしい。

 

 

本当に勉強したい、と思った人が来てるんだな、大学ってところは。

そう思わせてくれたのは彼でした。

 

 

「Spenserはなんで米軍基地で働こうと思ったの?日本には徴兵制がないし、そんなに軍隊とかで働くのが一般的ではないんだよね」

 

こんな質問を、キムチカレーを食べてる時に聞いた。

(カレーとキムチってすっごく合う!本当においしかった。)

 

 

「どこから話そうかなぁ…」

 

 

 

 

 

聞いてはいけなかったかな、と思わせるような間があった。

 

口の中のキムチが、ちょっぴり酸っぱくなった気がした。

 

 

「ぼくのお母さんは、メキシコからの移民で、お父さんはネイティブ・アメリカンだったんだ。だから、アメリカの社会のヒエラルキーの中だとね、かなり下のほうなんだ。」

 

ネイティブ・アメリカンって、アジア系だから、ぼくには髭があんまりないわけ。ほら。って、あごを指差した。他のヨーロッパの人に比べたら、たしかに全然ない。

 

「貧乏だったから、小さいとき病院に行けなかったんだ。アメリカは保険が高いから。ぼくは長男だったけど、下に兄弟は4人いるし、風邪をひいても、病気になっても、医者に診てもらうことはなかったんだよ」

 

お金がないと病院に行けない、保険にも入れない、道で死んじゃうかもしれない、そんな国なんだよアメリカは。

 

 

医療費が原因で自己破産する人がめちゃくちゃ多いって聞いたことあったけど、

それで命を落とす人がいるんだな…。


日本で生きていて、病院に行くことは私にとって普通のことだったし、医療費が中学3年生まで無料のところに住んでいたので、Spenserの話を聞いた時はびっくりしました。


目の前に座っているSpenserに「生きててよかったねぇ!」って言ったら、すっごく笑ってた。

 

 

彼は学校での成績がいつもビリから数えたほうが早いくらい悪くて、

みんなとはどんどん差が開いていって、クラスでは全く集中できなくて、

親が病気かと疑ったけど、病院にも行けず、

「できない子」となった。

 

 

そして、学校をドロップアウトしてしまい、軍に入ったんだって。

机の上で勉強しなくていいからね。って。

 

 

机の上に置いてあったタブレットが入ったビンに気づいた。

ビタミンD剤かな…?

 

これなに?って聞いたら、「薬だよ」って返ってきた。

 

 

Spenserはちょっと息を深く吸ってから言った。

 

ADHDって病気だってことが、数年前にわかったんだ。だから毎日この薬飲んでるの。

 

 

アメリカから持ってきたのがなくなったから、スウェーデンの病院で処方してもらったらしい。

 

 

ADHDって知ってる?

うん。知ってるよ。でもそこまで詳しくは知らないかな。

 

 

彼はその病気についていろいろ話してくれた。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)には多動性・衝動性・不注意の3つの症状があって、子どものとき発症することもあれば、大人になって発症することもある。

人によって度合いは違うけど、計画立てて順序どおりに物事をこなすのが苦手だったり、ひとつのことにずっと集中できなかったり、いろんなことを先延ばしにしてしまったり、忘れ物が多かったり。日常生活に支障がでてしまう病気。

 

 

 

もし、ぼくが小さい頃保険に入っていて、

病院に行って、医者に診てもらって、

病気だってわかってたら、

それか病気になってなかったら、

たぶん学校をドロップアウトすることもなかっただろうし、

軍隊にも入ってなかっただろうな。

人生、今とは全然違うものになってただろうな。


 

 ってキムチカレーを食べながらSpenserが言った。



でも、もしその病気になってなかったら、

ドロップアウトして、軍隊に入って、

いろいろなことを経験して、

日本に来て、韓国にも行って、

本当に勉強したいって思って、頑張って大学に入って、ルンドに来て、

私に会ってカレーを食べる、なんてことはなかっただろうね。

 

病気になってよかったかもね!

 

 

って私も水を飲んでから言った。

キムチカレー、ちょっぴり辛かった。



そんなことを話して、人生っておもしろーいって言いながら、2人でゲラゲラ笑ってた。

 

 

 

病気のことを、話してくれてありがとう、って言ったら、

 

 

聞いてくれてありがとう。

今日は、ハッピーな気分だから、薬は飲まないですむよ。


って言われた。

 

 

その言葉を聞いて、本当に本当に嬉しかった。心があったかくなった。

 

ありがとう、でいっぱいの時間でした。

 

 

彼、カリフォルニアでたくさんの日光あびてるんだろうなぁぁいいな。

 

 

いろんな世界を見せてくれて、Spenserありがとう!

 

おいしいカレー、作ります。

 

キムチも、今度入れてみようかな。

 

 

 

明日もいい1日になりますように!

 

 

北のヴェネツィア!美しすぎたストックホルム

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レポートに追われていますが、ちょっと休憩にブログ書きます。

 

読んでる方にとっても、このブログがほっと息をつく時間だったり、気晴らしになればいいなぁなんて思いながら。

 

ストックホルムに行ったときの写真、ぱーっとのっけます :)

 

 

ストックホルム、めちゃんこ綺麗でした。

ハッと息をのむ瞬間がたくさんあって、息をのんだあと、ちょっと深呼吸して、シャッターを切り、またその景色に目を向けて、はぁーってため息ついちゃうくらい、綺麗でした。

 

私の写真で伝わるかなぁ…ストックホルムの綺麗さ!

伝わるといいなぁ。

 

 

ストックホルムに留学しているトビタテ生の友達あつしとまゆなが、3日間案内してくれました!本当に素晴らしいガイド、ありがとうね!

 

まゆなは、本当に憧れのポジティブマンなんです。一緒に話してて、本当にわくわくするし、楽しい。自分のしたいこと、全部やってる、キラッキラしてる人。

首狩り族の方と一緒に暮らしたり、モンゴルの草原を駆け抜けたり、カナダにオーロラを見に行ってたり。話を聞いてるだけで、もうわくわくゲージがバーンと上がります。

 

 

あつしのことは前に書いたから省略!

 

 

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雪にズボッッと埋まった図。↑

行ったのは11月の中旬くらいで、雪がかなりたくさん降ったあとに行きました。

何十年ぶりかの大雪だーってみんな騒いでた!

 

雪は、ふわふわでした。倒れても全然痛くない、むしろ超ウェルカムってかんじで包んでくれました。服の中に雪が入って、ひゃあって叫びそうになったけど、ストックホルムマジックといいましょうか、全部オーライ!ってかんじになります。

 

 

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かまくらがあった。やっほー!

 

 

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雪が降ったあとの空気はピンと張っていて、体がきゅっと引き締められます。

 

 

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ドロットニングホルム宮殿バロック様式の、荘厳な宮殿。

北欧のヴェルサイユ宮殿って言われてるよ。世界遺産です。

 

 

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街全体が雪化粧してて、とっても上品。

 

 

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日曜日になると、スウェーデンの人はみんな家で家族とまったりするみたいです。

 

 

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行った時は、観光客が多かった!

ストックホルムは、”北のヴェネツィア”って言われてます。

たくさんの水に囲まれてて、小さな島が橋で結ばれてる街です。

 

 

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上を向くと、悠々と流れるうろこ雲。

 

 

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ここは、なんだろう。ふらっと入ったところ。お城だっけな。忘れちゃった。

 

 

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下を向いても、広い空。ダイブしたくなった。静かな空でした。

 

 

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空が深かったよ。

 

 

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石畳の道。歩き心地がいい。

水たまりに映る景色が全部違うから、ついつい水たまりを見つけては覗いてしまいまし。

 

 

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夕日を浴びてる、建物たち。

 

 

 

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ノーベルミュージアム!入ってないけど、大広場にどーんとありました。

火曜日の夕方5時から8時までは無料らしいです。

ノーベル賞は、アルフレッド・ノーベルさんっていう発明家の遺言によって作られた賞。ノーベルさんはスウェーデン人で、ノーベル賞の授賞式は毎年ストックホルムで行われます。この博物館の中では、受賞者が式の後に晩餐会をするらしい!

 

 

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おいしいバケット食べた。1000円以上したけど、それが普通らしい。

ルンドから来た田舎っぺにはかなり高く思えたけど…!

シティボーイとシティガールは、なんか垢抜けてた!移動はすべて電車らしい。

東京にいるときは電車で移動することは当たり前だったんだけど、ルンドに来てから空港行くときくらいしか電車を使わなくなって、毎日電車で学校に通う生活が遠いかなたにいってました。

 

ルンドの中は全部自転車で行けるくらい小さな街なんです。交通費かからないよん。

雨降ってもバスは使わず、雨に叩き打たれながらチャリを激漕ぎしてます・・・!

 

 

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ストックホルムの地下鉄!

ストックホルムにはちょうど100の駅があって、

駅ひとつひとつがモダンユニークなアート。

 

 

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燃えるような赤。

このストックホルムに張り巡らせれた地下鉄は、「世界一長い美術館」って言われてます。105.7kmあるんだって!

 

 

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れいんぼーーーう!電車待ってる時間も、全く長く感じない。圧巻。

 

 

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小さな音楽、発見!

 

 

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アートが身近に感じます。

 

 

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left とか、左 とか、文字だと味気なくなる標識も、

こんなかんじで指差してくれたら、ちょっとハッピーになりますね!

 

 

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ガムラスタンっていう旧市街。本当に綺麗です。

ぜひ行ってみてください、絶対行ってください。

 

 

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夕方になると、こんなかんじであたたかいランプの光に包まれます。

 

 

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これは夜に撮った写真。道が細くて、迷路みたいになってる!

ちょっとぶれちゃった。

 

 

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私がストックホルムで撮った写真の中で、一番好きな写真!

スウェーデンの国旗が、いいかんじに建物のオレンジに映えてる。

 

 

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写真見て余韻に浸ってたら1時間半も経ってたあああ!!

休憩のつもりが!ついつい写真にうっとりしちゃった…。

 

 

2月は、大好きな友達に会いに、ロンドンに行ってきます!

旅をモチベーションに、レポート頑張ります。

 

 

明日もいい1日になりますように!